alone in the night

In the dark, in the quiet.

book:自分のためのエコロジー

自分が快適になるような選択でもってエコな暮らしをしよう、と推奨している本だった。

座布団とその上に置いた鉄製の置物。何も細工をしていない状態では、どちらの温度も同じ。だが触ってみた時の体感温度は異なる。鉄製の置物の方が冷たい。なぜか。布より金属のほうが熱伝導率が高く、手の熱がより早く伝わる(逃げてしまう)から。

 

木造建築しかなかった時代は周りの環境をうまく利用することで災害や寒暖から身を守っていた。例えば沖縄のある集落では家の周りに木を植えて防風林を作ることで台風から家々を守っている。

これを著者は依存型共生と言っていた。技術が依存型だから防風林をつくるなど環境と共生するタイプ。自分の家だけでは災害や寒暖に太刀打ちできないしかし建築の技術が発達した今、環境と共生する必要がなくなり、自分の家だけで完結できるようになった。これを自立型孤立と言っていた。技術は自立型しているために環境から切り離されたタイプ。

この本では自立型かつ共生を目指しエゴなんだけどエコな暮らしを推奨している。

 

全体を良くしようとするとき、小さな身の回りの単位のことだけを考えると上手くいく。鳥が綺麗に群れになって飛んでいるが、それは鳥同士が綿密なコミュニケーションを取っているのではない。群れの方向に飛ぶ、ぶつかりそうになったら離れるなど、せいぜい自分の身の回りのことしか考えていない。それでも全体で上手くいく。これは普段の集団生活にも応用がききそうな考えだと思った。

 

環境問題を考えるとき、環境を守らないと!ではなく毎年暑くなってる。自分たちは損してる。どうしたら得する(快適に過ごせる)だろう、と考えることが大事。だが本文で書かれていたことは、家の周りに木を植えるなど大掛かりなことが多かった。緑のカーテンも集合住宅なら近所迷惑になるかもしれないし、なにより洗濯物を干す際に邪魔にならないかなあと。

 

夏は家でクーラーをかける頻度を減らして図書館などで過ごすとか、車を使わずに自転車、公共交通機関でお出かけするとか。私にはそういうことしかできないと思った。