確たる証拠がないのに思い込んでしまう私にとっては薬になるような本だった。医師が書いていることもあり医学や対患者でのケースがよく書かれていた。
イメージだけで判断しない。わかったつもりにならない。(あの人はゆとり世代だから仕事ができないなど。上司の指導や五月病など別に問題があってゆとり世代であることと関係ないかもしれない。)
経験だけで判断しない。その経験は偶然得たものかもしれない。
メディアの情報は参考程度にし鵜呑みにしない。
正解がないことは世の中にたくさんある。白黒はっきりしないことに向き合って葛藤する。
また、世の中に散乱する数字のトリックを知った。
・相対的な数字と絶対的な数字
例えば利益30%UPとかかれていても、3%の利益が4%になっただけなのかもしれない。それだと相対的には(4-3)/3で約30%の上昇だが、
絶対的な数字でみるとたったの1%の上昇にしかならない。
もっとも1%利益が上がることがとても良いことである場合もあるのかもしれないけど…。
・分母を見る
見れなくても意識する。100人合格!と書いてあっても、2000人中なのか100人中なのかで意味合いは変わって来る。だから分母も見ずにおおすごい!などと思ってはあとで後悔するかもしれない。
原因には根本的な問題である遠因と直接的な問題である近因があり、近因を対策するのは遠因より楽だが、中期的なチェックを入れて遠因を対策する必要がある。
謎の病気による死者が多く発生した地域を見つけその中心にあった井戸を使用禁止にしたことで、直接的な原因がわからないままその病気の死者が増えることを食い止めることに成功したブロードストリート事件のように、100%の原因解明にこだわらない方がいいこともある。どこかで判断を下す必要がある。