alone in the night

In the dark, in the quiet.

book:処刑の科学

20年以上前の古い本だった。アメリカを中心に世界の処刑の歴史や事例が書かれていた。このような本を書くほどなのでもちろん著者は死刑制度賛成のようで、死刑制度反対という人は犯罪被害者を軽視しておりそれらの見解は知的自己満足を超えないなどと書いていた。

 

私も死刑制度には賛成だが、死刑を求刑するには絶対に冤罪はあってはならない。確実な証拠が無いならやはり死刑を求刑すべきでは無いと思う。

 

最後に、健康な死刑囚の体を臓器移植に用いる提案(臓器の摘出をもって処刑とする)がなされていたが、これは新たな陰謀に繋がりそうなので私は反対だ。ただ、死刑囚本人が死後にそうされることを望んだ場合は考えてもいいのかもしれない。犯罪者の臓器を欲しがる人がいるかは別として。

 

また解説として、殺人罪で収監されていた日本人による元囚人たちの座談会と刑務官へのインタビューが収録されていた。有期刑の人が死刑賛成、無期刑の人が死刑反対を示す傾向にあり、やはり死を感じたか否かがポイントだと思った。でもやっぱり死刑を求刑されるというのは、それだけのことをしたということであろう。

 

また、仕事でも人を殺したくなかった、重い口を開いてくれた刑務官へのインタビューの最後に死刑執行人への皮肉を込めた川柳があったけど、わざわざインタビューに応えてくれた刑務官への感謝はないんか?と思った…。私の頭では理解できない意味だったのかもしれないけど。