ナボコフ最後の長編の自伝的小説。小説の主人公はナボコフそのものではないが執筆した作品名がナボコフの作品をもじっている。
訳者の名字?が2つあるのは何故だろう。メドロック氏と結婚してメドロック性になったが旧姓も使用しているのかな。こういうことはよくあることなのかな。
1回読んだだけなので勘違いしている箇所も多いとは思うが以下感想。
・最初の妻アイリスとその後の2人の妻への愛情の差を感じる。アイリスとの描写が1番多かったと思う。あたおかの中尉にいきなり殺されたのはびっくりした。
・ヴァジムは節々で性格の悪さがにじみ出ている。
・アイリスとの死別後アンネットと出会う前に一瞬だけ描写のあった、ヴァジムのタイピストをしていたリューバはちょっとストーカー気質がありそう。
・他人の家で全裸で歩くヴァジム気持ち悪い(真顔)。離婚後アンネットが亡くなったためにヴァジムに引き取られた娘イザベルも父や継母(になる予定)のルイーズの前で平然と全裸。イザベルの小さい頃に離婚したから全裸徘徊は環境では無く確かに遺伝…なのかも。
・アンネットとの離婚はヴァジムがドリーという女と不倫したから。しかも後にヴァジムは娘イザベルを間違えてドリーと呼ぶ……そしてイザベルがめっちゃ怒る。
イザベルが父の過去の不倫を知っていたかはわからないけどドクズすぎるだろ。
・イザベルはヴァジムとルイーズによってスイスの花嫁学校送りになった。18歳で駆け落ちするように結婚、ロシアへ。その後彼女が病気で貧困だと聞きヴァジムが会いに行こうとするが結局会えなかったんだよね?そしてイザベルの病気は大したものでは無く結婚もそれほど不幸なものでは無いと記載があるけど確認したのかな。
・ヴァジムはルイーズの過失で離婚したと言っているがヴァジムもローズという女にうつつを抜かしてたじゃねーか…ルイーズが再婚したみたいでよかった。
・最後に出てくる「きみ」は娘イザベルと同級生で43年下。きもちわりーよ!
最後に気に入ったフレーズを記しておく。
”自己とはいかなる光のもとでも輝く宝石”