alone in the night

In the dark, in the quiet.

book:ジョルジュ・スーラ

スーラの生涯を作品を軸に追う本だった。この作品のできた背景はとか。

 

恥ずかしながらスーラの作品は『グランド・ジャット島の日曜日の午後』しか知らなかった。さらに恥ずかしいことにそれだけの一発屋だと思っていた。失礼すぎる。

『アニエールの水浴』(点描が見られない)、『サーカス』など私が知らなかっただけで他にも有名な作品があった。また最晩年に素敵な海辺の風景画を何点も残していた。

 

洋画の鑑賞は好きなのだけど、画家や絵の技法や描き方は全く詳しくないのでよくわからない点も多かった。習作を繰り返して1つの作品が出来るんだなーレベル(笑)。

しかも習作って全体図のイメージってだけじゃないということもわかった。例えば『グランド~』では右手前の男女2人組や猿を連れた女性だけを描いた作品や人物のいない島だけを描いた作品もあった。

 

依頼を受けて描いているわけではないので、描いても金は発生しないかもしれない。スーラは同時代の画家ゴッホとは違って一生生活に困らなかったようだが、この仕事はどんなに好きでも務まらない。

 

またスーラはゴッホ同様早世しているが先述の通り生活苦による~ではなく病気で亡くなっている。勝手に生活苦が原因で~とか思ってた。失礼すぎる。

 

特徴的な点描はポール・シニャックの助言から生まれたということも初めて知った。またシャルル・アンリやアムベール・ド・シュペルヴィルといった学者の理論も取り入れて絵を描いており、ただ見たものを描くだけじゃないんだなあと(レベルが知れてしまう、私はなんでもにわか止まりだ)。右から左・下から上の線、赤や黄色は喜びを表わすらしく、例えば晩年の風景画にそれが使われている。

 

あと額縁にも点描が施されている作品があった。額縁までが作品なんだ。