alone in the night

In the dark, in the quiet.

book:食育の力

食にまつわるあらゆるテーマを取り上げていた。食べる器官としての口について書いていたのには驚いた。そこからなんだ、と。

 

進化と食事の変遷・国による食生活の違い・ファストフードの歴史と問題・農業高校生の食生活とその振り返り・食育講座・マイペースな酪農への転換など、様々な面から食にアプローチした本だった。

 

経営効率を上げることだけ考えた酪農からの脱却の話。そういう酪農をしていて行き詰まりを感じた人たちがマイペース酪農へ方向転換したのだとか。

仕事はこうあるべきだと思った。主役は自然という考えの酪農なので、環境汚染を低減できる。今まで牛乳生産機扱いだった牛は生き物としてみてもらえる。人の生活にゆとりが生まれ、チーズ作りに励むことさえ出来る(そして6次産業化へ!)。

 

農家の協力のもと、市民が作物を作り、収穫物を他の講座でまんじゅう作りに利用するプログラムを行っている市があるそう。自分が食べているものがどうやって作られているか体験すること、地域の人とのかかわり、どちらも出来ていいことだと思った。こういうことが食育なんだな。

ただ生活にゆとりがないとこういう講座に参加することは難しいだろう。高校生だって学業にアルバイトに忙しいから食生活を振り返ることまで出来ないのだろう。そもそもそういうことに興味のない、農業高校生としては少し残念な子も多いのだろうけど。

 

でも生活にゆとりなんてほとんどの人が難しいことだと思う。